自衛隊奈良地方協力本部からのご依頼により、タミヤの1/35 RCタンク「陸上自衛隊 10式戦車」を製作しましたので、本日からは製作記を4回に分けてご紹介します。
MMシリーズのコンポーネントを流用したRCキット

まずはキット紹介です。このキットは、タミヤのミリタリーミニチュアシリーズの1/35「陸上自衛隊 10式戦車」にRCメカを付属させたもので、手ごろなサイズながらも「前進、後進、左右旋回、信地旋回」を可能にしているほか、砲身の回転や俯仰などのギミックも楽しめます。
当工房公式YouTubeに公開中の、走行実演動画
今回製作した、タミヤ1/35RCタンク「陸上自衛隊 10式戦車」の装甲実演動画は、YouTubeの渡辺真郎&モデルファクトリーハイギヤードの公式チャンネルに公開しておりますので、ぜひご覧ください。

渡辺真郎の公式チャンネルでは、今後も艦船模型の工程解説動画などを続々、公開して参りますので、この機会にチャンネル登録と高評価をよろしくお願いいたします!
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キットの内容紹介

自衛隊奈良地本からは、当初は1/16スケールのフルオペレーションの製作依頼でお話をいただいていたのですが、キットの入手が困難なため、1/35のRCタンクを2台製作することになりました。

箱を開けると、内部はこのようになっています。RCメカとプロポは仕切りを挟んで右側に配置され、ランナーがメカを傷つけることがないように配慮されているあたり、さすがは信頼と安心のタミヤ製と実感させられます。

RC用メカは細かく袋詰めされており、グリスや6角レンチなどの必要な工具も全て揃えられています。結線もカプラーオンで手軽にできるようになっており、半田付けなども必要ありません。

プロポは完成状態で同梱されているので、組み立ての必要はありません。左右スティックは左側が走行用、右側が砲塔の操作用に独立しており、同時に操作することで「同じ目標を指向しながら向きを変える」スラローム射撃の動きも再現することができます。
また、電波は2.4GHzが採用され、同じ場所で2台を同時走行させても混信の心配がほとんどない点も大きなメリットです。
転輪、駆動輪の製作

組み立ては、通常の戦車プラモと同じように駆動輪&転輪から製作を開始しました。ギミックモデルという事で、駆動輪内部には6角ナットを仕込み、RCメカ側のドライブシャフトとはイモネジでしっかり固定できるように設計されています。。

転輪は内部にポリキャップを仕込む方式で通常のスケールモデルと変わりませんが、2台同時製作という事で計40個(アイドラ―も含めて計48個)の切り出り&ゲート処理という膨大な作業量を求められました。

転輪外周部のゴム部分の塗り分けは、先にMr.カラー137「タイヤブラック」を全体に吹き、コンパスカッターで切り出した「リング状のマスキングテープ」を貼り、車体色を重ねる順番でおこないました。

塗り分けが完了したら、転輪の内部にポリキャップを仕込んで接着します。アイドラーは内部に金具を差し込む必要があるので、この段階で未接着としました。

ギミックモデルの製作はスケールモデルと勝手が違う部分もあり、作業には不安が付き物なのですが、この10式戦車はベースがタミヤのMMシリーズという事で組み立てに関しては不安はありませんでした。メカもRC開発に長けたタミヤ製ということでの安心感がありますが、組み立て精度によっては可動部に大きな負担をかけてしまいますので、慎重に作業を進めました。次回は砲塔の組み立ての様子をご紹介します。