現在、業務の方はメディア掲載作例に集中しているため、ストック記事として、海道塾の3Dプリントキット、1/700フェリー「さんふらわあ きりしま」の製作記をご紹介しております。
今回は船体以外の主要パーツの切り出しと、デッキのマスキングの様子をご紹介します。これは煙突をはじめとした別パーツ群で、下部からのサポートに加え、上部はフード状のフレームで補強されています。
サポートは不用意に処理するとパーツ本体を傷める可能性があるので、超音波カッターで切り離しました。まずはパーツから少し離れたところを切り、残った部分はアートナイフやヤスリで処理します。
切り出しとサポート処理を完了した各パーツ。積層痕が目立つ部分は(船体と同様に)「捨てサフ吹き → サンディング」の順番で処理して平滑に整えました。
これらのパーツもグレーサフを上塗りし、主要部の下地処理が完了となります。
続いてはデッキ色の塗装です。どんな船でも、天候や撮影環境で色合いが大きく異なるものですが、今回は複数の写真から思い描いたイメージとして、Mr.カラーの43「ウッドブラウン」と44「タン」をおよそ1対1で混色しました
操舵室からアトリウムにかけての天蓋と、煙突基部の天面をマスキングしている様子。7Fの船尾展望デッキや船首係留作業甲板は入り組んだ構成となっているので、集中力を切らさないように数日に分けて処理しました。
7F展望デッキはエアブラシ塗装のみでは吹き返しでザラ付きが出やすいので、筆塗りを併用しました。デッキのマスキングも、細切りのテープを奥まったところまできっちりと敷き詰めます。
船首はブルワークの内側にリブがあるので、1~1.5mm幅の細切りマスキングテープを等間隔で並べて処理しました。地味な作業が続きますが、雑にやるとかえって修正に時間がかかってしまうので、あくまで落ち着いて慎重に仕上げます。
テープによるマスキングが完了したら、最後に全面的にマスクゾルを塗り込みました。この処理は吹込みを防止するとともに(テープ同士が繋がることで)剥がす作業を楽にしてくれる効果があります。
「さんふらわあ さつま・きりしま」の製作は、日々の業務の製作や事務作業を終え、家事や子供の送り迎え&寝かしつけなどを全て終えてから余った僅かな時間を使って続けていたため、1日約1時間程度の作業時間が限度という状況でした。
そのため、デッキのマスキングも3~4日を要しましたが、幸い大きなミスもなく、満足のいく仕上がりとなりました。