カーモデルの製作代行品として製作していた、フィニッシャーズ 1/24「ティレル022 ヤマハ」トランスキットの製作記をご紹介しております。
今回からは、レジンボディの下処理を3回に分けてご紹介しますが、その前にトランスキットに付属しているインストをご紹介します。組み立て説明などは全く記載されておらず、流用パーツをバラで並べた工程写真とハセガワデカールの流用指示に加え――、
見下ろしアングルでの完成例の写真が4枚プリントされていました。ガレージキットのインストとしては非常に簡素なもので、ユーザー側がある程度、実車の資料を持っていることが前提となった構成です。
この完成写真を見た時、フロントのアッパーアームが不自然なところで「く」の字に折れ曲がっている点や、プッシュロッドが取り付けられていないことに気付き、少し嫌な予感がしていたのですが、実情が分かるのはもう少し先のこととなりました。
気になる点は色々とありましたが、まずはレジンボディの処理からはじめました。コクピット周りのクローズアップを見ればわかりますが、注型時のバリやヒケ、気泡などが非常に多いキットです。
ひとまず、ファインモールドの「ご機嫌クリーナー」を全体に吹き付け、数分後にしっかりと水で濯いで脱脂ののち、作業を開始しました。
これはコクピット開口部の上端部。赤い部分は出っ張っているので削り落とし、緑の部分のように欠けている箇所は、液状瞬間接着剤を盛って埋めていきます。
フィニッシャーズの1/24「ティレル022 ヤマハ」は、こうした部分が非常に多かったので、盛り付けとサンディングを繰り返しながら、地道に埋めていきます。
カウリングの後端部は、ゲートがモールドを埋めてしまっているので――、
アートナイフで発掘し、ヤスリやペーパーで整えました。
また、裏側も分厚いゲートがあるので徹底的に落とし、カウルの薄さを演出します。
ここはアートナイフでは歯が立たなかったので、超音波カッターで処理しました。超音波カッターは、分厚いレジンを切削するのに非常に便利で、こういう作業においては特に重宝します。
フィニッシャーズの1/24「ティレル022 ヤマハ」は、モノコック側面のディフレクター(バージボード)が取り付けられていない点と、021からの流用リアウイング(フラップ×2枚構成)の形状を考慮するに、第3戦サンマリノGPあたりの仕様が近いように思います。
同GPは、ローランド・ラッツェンバーガー、アイルトン・セナの両選手を失った悲劇の舞台として知られていますが、片山右京選手はシーズン2度目の5位入賞を果たす好走を見せたレースでもありました。