艦船模型製作代行のご依頼をいただき、ピットロードの1/700アメリカ海軍航空母艦「CVN-71 セオドア・ルーズベルト」を製作中です。
最後に製作するのは「F-14D トムキャット」です。まずは「EA-6B」や「S-3B」と同様に、キャノピーのマスキングを行いました。F-14のキャノピーは比較的、大型ですので、クリアー表現は良いアピールポイントになります。
機体色の塗装前には、例によって黒サフを吹きました。今回製作している艦載機の全機種に言えることですが、クリアー成形であることも手伝って、ゲート処理からエッチングの取付けまでの工程ではヒケの存在を確かめることができず、サフ状態ではじめて露わになることがしばしばあります。(その場合は、液状瞬間接着剤とサフの筆塗りなどで埋める工程を加えることで対処しています)
機体色にはMr.カラーの307番を使用し、タイヤは艶消しブラックを筆塗りしました。
また、エンジンノズルも同様に、タミヤエナメル塗料のX-10「ガンメタル」を筆塗りしています。
デカール貼り付け前の処理を終えた、1/700「F-14D トムキャット」。デカールはCAG機も含めて機数ギリギリしか用意されておられず、1枚のエラーも許されない状況でしたので、集中力を極限まで高めて貼り付けに臨みました。
これはCAG機のマーキングを終えた様子。デカールの状態はかなり悪く、国籍マークもひび割れて複数に分断されてしまう状態でしたが、なんとか貼り付けを終えました。垂直尾翼のデカールも合いが悪かったので、左右で隙間が生じる箇所などはタッチアップにて処理しています。
デカールの貼り付けを終えたら、UVカット艶消しクリアーをコーティングし、最後にキャノピーのマスキングを剥がして仕上げとなります。CAG機以外のF-14Dも一機あたり8枚のデカール貼り付けが必要になることから、全32機で計256枚のデカールを処理しました。
デカールの枚数は前述の通り「予備なし状態」な上に、劣化によるバラけが多数生じ、更に垂直尾翼のデカールなどはクリアー塗装時にめくれあがってしまうトラブルが頻発して頭を抱えるような状態でしたが、糊代わりに艶消しクリアーを筆で流して抑え込むことで対処し、なんとか形にしました。
こうして「セオドア・ルーズベルト」に搭載予定の56機の艦載機がようやく仕上がりました。紆余曲折はあったものの、なんとか全機ぶじに仕上げることができて、安堵しています。
先日のモデフェスにおいても、当ブログをご覧の皆さまからは「セオドア・ルーズベルト」用艦載機の製作数に驚愕のお言葉を多数いただきました。
実際、私の長い製作人生の中でも、ディテールアップ仕様の艦載機の製作数としては過去最大値となります。