艦船模型製作代行のご依頼をいただき、ピットロードの1/700アメリカ海軍航空母艦「CVN-71 セオドア・ルーズベルト」を製作中です。
今回は、前回までに車体の組み立てを終えた、艦上クレーン車の後編をご紹介します。
まずはタイヤの組み立てです。フォークリフトや牽引車などの製作のさい「エッチング×3枚貼りのタイヤが苦行」という本音を書きましたが、クレーン車のタイヤは1台あたりの必要数が、なんと42枚にもなります。
写真左側が組み立て前のタイヤ、そして右側が組み立て後です。タイヤのパーツはサイドウォール×2枚とホイール×2枚、そしてトレッド部×3枚の計7枚を貼り重ねる構成となっており、順番を間違わないように注意が必要です。
42枚のタイヤを組立て、車体に取り付けた様子。パーツ同士の合わせ目はトレッドパターンの様に見えなくもないですが、いかにも「重ねました」という仕上がりになってしまったので、全体に液状瞬間接着剤を吸わせて一体化しておきました。
ケーブルとリールのパーツも、例によって全てバラバラです。ケーブルとケーブルの間にリールを挟み込み、部分的に別のケーブルを差し込みつつ形にしました。
クレーンのブーム本体は、思ったよりシンプルでしたが、台枠やケーブルとの幅の調整に少々気を使いました。
かなりの工数を要した艦上クレーン車ですが、これで組み立て完了となりました。キャビンの壁の薄さやフレームの入り組み具合はエッチングならではの精密感です。
正確には数えていませんが、この1台だけで、恐らく100パーツ程で組み上がっているはずです。
予想以上に時間がかかりましたが、これでファイブスターモデルパーツに付属する艦載車両群の組み立てが無事に終わりました。こうした細かな搭載品はフルエッチングでの表現は少々無理があるように思えますので、今後は3Dプリントパーツへの置き換えを待ちたいと思います。
次は艦載車両群製作記事の最終回として、塗装完了後の写真をご紹介します。