艦船模型製作代行のご依頼をいただいて製作していた、1/700原子力航空母艦「CVN-71 セオドア・ルーズベルト」が完成しました。今回は完成写真の第一弾として、左舷側の全景とディテール、そして艦載機&艦載車両の詳細をご紹介します。
1/700航空母艦「CVN-71 セオドア・ルーズベルト」左舷側からの全景
1/700航空母艦「CVN-71 セオドア・ルーズベルト」左舷艦首側からの全景。キットはピットロードから発売されたもので、内容はトランぺッターモデルの製品と同様です。
1/700航空母艦「CVN-71 セオドア・ルーズベルト」左側面からの見下ろしアングル。艦載機は、F-14DとEA-6B、S-3B、SH-60Fをメインに配置していますが、ほかにE-2Cも製作しました。(艦載機の詳細は、本項下部に掲載)
左舷艦首側から、飛行甲板全体を見下ろした様子。お客さまのご希望でエレベーターは全機上昇状態とし、ファイブスターモデルのスーパーディテールセットをメインに、ゴールドメダルやアーティストホビー、ファインモールドなどのパーツを各部に組み込みました。
左舷後部からの全景は非常に見応えがあります。実艦は1980年代の就役とあって、それなりに艦歴も長いのですが、キットは2006年頃の艤装を再現しているので、概ね当時のイメージに近づけた仕上げとしました。
1/700航空母艦「CVN-71 セオドア・ルーズベルト」左舷の細部ディテール
左舷艦首付近のクローズアップ。キットの飛行甲板に一体成型されているセーフティネット&キャットウォークは全て削り取り、ファイブスターモデルのエッチングに切り替えました。
左舷中央付近の様子。ここもキャットウォークはフルエッチング化し、ライフラクトはファイブスターモデルの3Dプリントパーツに切り替えました。
艦橋とマストもファイブスターモデルのフルエッチング&真鍮挽物によるもので、キットパーツの使用はレドームやイルミネーター、一部のアンテナのみとなりました。
別アングル。説明書の不備などもあり、艦橋の組み立てには苦労が絶えませんでしたが、ブルワークの薄さや基部の薄板感は、フルエッチングならではです。
左舷後部も、キャットウォークや通路、セーフティネットなどをファイブスターのエッチングに切り替えました。
左舷後部のLSOプラットフォームは、キットとエッチングのフィッティングに最も苦労した箇所です。スパッドロック内の塗装も難しいので、ここは水平面と垂直面のエッチングを各々、バラで塗り分けました。
艦載機と甲板作業車の詳細
艦載機は、キットの付属機数の倍にあたる56機の製作をご用命いただき、全機をビッグブルーボーイの専用エッチング使用にて仕上げました。
艦上戦闘機「F-14D トムキャット」は計32機を完成させました。一般のロービジ塗装の機に加え、CAG機×4種を2機ずつ、計8機製作しています。パーツ構成の関係で、半数は主翼を展開し、もう半数は主翼を収納した状態としました。
こちらは電子戦機「EA-6B プラウラー」で、計8機を製作。脚周りにビッグブルーボーイのエッチングを組みました。
対潜哨戒機「S-3B バイキング」の製作数も計8機です。こちらは脚以外に、エンジンのインテークにもエッチングを使用しました。上記の3機種は、クリアー成形のキャノピーを塗り残すことで、透明の風防を再現しています。
早期警戒機「E-2C ホークアイ」は、プロペラを8枚ブレードのNP2000に交換しました。ほかにも脚周りとレーダー支柱に、ビッグブルーボーイのエッチングを使用しています。
対潜ヘリコプター「SH-60F オーシャンホーク」はCAG機と一般塗装機をそれぞれ2機ずつ製作し、メインローターは半数を格納状態としました。
甲板作業車にはキットパーツはいっさい使用せず、全てファイブスターモデルのエッチングを組みました。ティリークレーンはフルエッチングで100パーツほどで組み上がっており、これだけでひとつの精密キットと言える完成度です。
フルエッチングで組んだ構造物やキャットウォークもさることながら、56機におよぶ艦載機と艦載車両の作業量もかなりのものでした。次回は右舷側のディテールをご紹介します。