艦船模型製作代行のご依頼をいただいて製作している、1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』。
今回は16インチ三連装主砲塔の製作の様子をご紹介します。
トランペッターモデル1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』の主砲塔は仕様を選択可能
トランペッターモデル1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』の主砲塔のランナーパーツの様子です。
砲塔天蓋は一体成型されています。
砲身基部は防水キャンパスを取り付ける仕様と、取り付けない仕様の2種類を選択可能です。
ディテールアップにはKAモデルとエデュアルドのパーツを併用
ディテールアップには、KAモデルのスーパーディテールアップセットと、エデュアルドのビッグエドを併用しました。
まず、エッチングに切り替えるにあたり、不要となるモールドをデザインナイフや彫刻刀で取り除き、サンドペーパーで滑らかに整えます。
これは、KAモデルのセットに付属している主砲塔前盾のエッチングです。
(ディテール感に乏しいこともあって)これだけを単体で見ると用途が良くわからないのですが、おそらくは、各砲身間の距離を適正に整えるためのパーツと思われます。
キットパーツの主砲塔は(実艦写真と比較して)砲身と砲身の間が少し詰まりすぎています。
左砲&右砲外側の前盾の幅が少々不自然なのです。
が、このエッチングを貼り付けることで間隔が少し広がり、実物のイメージに近づきました。
その他、以下の箇所にKAモデルのエッチングを取り付けました。
- ラッタル
- 測距儀のレンズカバー
- メンテナンス用ハッチ
- ジャッキステー
- 三角補強板など
エデュアルドのパーツを使用したのは以下の箇所です。
- 天蓋の配線類
左から、(艦首側から順に)A、B、C、Dの各主砲塔です。
天蓋に配線が這わせてある砲塔は、A砲塔とC砲塔のみです。
C砲塔には最終的にカタパルトも備わります。
防水キャンパスは、KAモデルのパーツセットに3Dプリントパーツが付属していたので、それを使用しました。
レジンパーツなどと比較して形状が揃っているのが良いところです。
反面、弾力に乏しく、かなり欠けやすい素材です。
そのため、切り離しとゲート処理には神経を使いました。
以下の画像の上側は『キットのプラ製キャンパス+トランぺッター製砲身』と、『KAモデルの3Dプリントキャンパス+KAモデル製砲身』の比較です。
トランぺッターの砲身は、キャンパスなしの仕様と共用にしていることから、キャンパスのバランスが少々不自然であるのに対し、KAモデルのパーツはそれらの比率が改正されていることが分かります。
上記画像の下側は、3Dプリントパーツの取り付けダボを切り取っている様子です。
キットパーツとKAのパーツでは砲身の取り付け間隔が異なることから、ダボはどのみち使えません。
(欠けたり割れたりしないように)エッチングソーで慎重に処理しました。
砲身を取り付け、塗装を終えたA砲塔(左側)とB砲塔(右側)の様子。
KAモデルパーツの使用により、各砲身の間隔と、防水キャンパスのバランスが整い、実艦のイメージに近づきました。
こちらはC砲塔(左側)とD砲塔(右側)の完成画像です。
天蓋の赤塗装は、(発色を明るく保つために)下地色を段階的に調整しました。
C砲塔はカタパルト装備となりますので、のちほどそれらの工程もご紹介します。