艦船模型製作代行のご依頼をいただき、トランペッターモデルの1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』を製作中です。
今回は、甲板上の小物と艦載艇の取り付けの様子をご紹介します。
各部のハッチ、天窓、ロッカー、弾薬箱など
まずは各部のハッチや天窓――、ロッカーや弾薬箱などですが、これらは一旦ランナーから切り出したのち、表面および側面のモールドを全て削り落としてからエッチングに切り替える必要がありましたので、製作には少々時間がかかりました。
使用したのは全てKAモデルのパーツで、ヒンジや留め具のメリハリが程よいレベルに抑えられ、1/200のイメージにあったものに仕上がりました。
塗装後の様子。
写真左上から2列目に並んでいる円柱状のパーツはボラードで、その右側はフェアリーダーです。
これらのパーツは非常に数が多いこともあって、ひとつひとつランナーから切り出してゲート処理を行いつつ、塗装して仕上げるのは面倒で手間がかかるのですが、(取り付けを進めるにつれて、徐々に艦船の機能感が高まっていくこともあって)個人的には好きな作業のひとつでもあります。
対空砲のブルワークとスポンソン、鉄甲板の一部
これは、対空砲のブルワークとスポンソン、鉄甲板の一部です。
写真左下の丸型のスポンソンは、本来は対空砲を取り付けるためのものですが、1941年時の『BB-39 アリゾナ』には何も装備されていないため、空きスポンソンとして使用します。
ブルワークとスポンソンを取り付ける段階で、後部艦橋も固定を完了しました。
C砲塔より後ろの艦尾甲板は、シェルター甲板から2層分降りた構成となっており、垂直に切り立った外壁と高い砲座が模型映えを演出してくれます。
艦載艇の取り付け
ハッチやロッカー、弾薬箱などの取り付けを完了したら、次は艦載艇の取り付けです。
艦載艇用の架台(ボートクラッチ)は、事前にKAモデルパーツをフルエッチングで組んだものを用意していましたが、ここでようやく仮合わせの工程が巡って参りました。
このパーツは、取り付けに不具合があるという情報を事前に掴んでいたので警戒していたのですが、実際に仮合わせしてみると、丸印の部分は天窓に干渉し、緑の丸の部分は床面の高さの違いに対応できていないなど、多くの問題がありました。
そこで、天窓に干渉する部分は切り欠き、床面の高さが合わない部分は、脚の長さを切り詰めるなどで調整を行いました。
それらの調整が済んだ時点で、艦載艇の固定を行い、KAモデルのパーツで固縛バンドを再現しています。
煙突直後の艦載艇甲板は、内火ランチが最大で3段積みになることもあって、非常に見ごたえのある雰囲気に仕上がりました。
このあと、左右両舷の大型クレーンの取り付けも控えてますので、機能美の演出に向けての期待感がいっそう高まります。
左舷からの全景。
艦載艇の取り付け前は、後部艦橋周りが少々間延びして見えていたのですが、ディテールも充実して一気に見応えのある雰囲気となりました。
今後は甲板上の吸排気筒や階段室、クレーン&対空砲の取り付けやカタパルトの装備、主砲塔の搭載、砲座や錨鎖甲板のディテールアップなどをご紹介して参ります。