シールズモデルの東海汽船「橘丸」はキットの入手が長年叶わず、2013年以来、ずっと中古キットを探し回っていたのですが、2019年春にようやく「駿河屋 https://www.suruga-ya.jp/ 」にて程度の良い中古品を発見し、製作することが叶いました。
レジン成形のパーツ構成
写真は上下分割の船体と各フロアのパーツで、原型はシールズモデルの「1/500日露戦争参戦艦シリーズ」を精力的に開発されている、川野誠さまによるものです。
フルハル展示用の飾り台や吃水板、その他、主要構造物と救命ボート、通風筒などの様子。各パーツにはバリや気泡などは一切なく、パーツ数も最低限というシールズモデルクオリティーが実現されています。
レジンキットですので、パーツには離型剤の脂分が付着しているので、事前にご機嫌クリーナーで脱脂してから製作を開始しました。
仮組状態でも充分なディテール感!
主要パーツはゲート処理さえ行えば、一切の修正もなく綺麗に仮組みすることができました。『橘丸』の特徴でもある、流線型のブリッジや煙突の造形は特に美しく、いつまで見ていても飽きない魅力があります。(写真下側はオキサイドレッドによる下地塗装の様子)
レジンパーツの塗り分けとマスト等の自作
各フロアは先に接着してしまうと塗装が難しくなるので、個別に塗り分けました。
「橘丸」は戦前に建造されて以来、何度も姿を変えていることが良く知られており、キットにも昭和10年の東京湾汽船所属時代(大島航路)、昭和14年の日清汽船所属時代(上海~漢口)、昭和18年の陸軍病院船時代、昭和27年の東海汽船時代(緑塗装)のカラーチャートが付属しているのですが、今回の塗色は(個人的に最も美しいと感じた)昭和31~45年頃のダークブルー塗装としました。
マストやダビットは(説明書の指定通り)真鍮線の切り出し&接着にて自作しました。(写真上段)
デカールは、キット付属のアルプスプリンター出力品が使用できたので助かったのですが、残念ながら船首とブリッジ横の船名表示は文字がつぶれていたので省略しました。(デカールには陸軍病院船時代の赤十字マークや、復員船時代のスカジャップナンバーも付属しています)
ミニカー用ケースを流用し、海面ベースを製作
海面ベースは、いつものようにジェルメディウムで製作しました。1/700東海汽船『橘丸』は全長12cmほどの小さなキットですので、1/43ミニカー用のクリアケースが丁度良いサイズになります。
エッチングパーツは、汎用の手すりとラッタルのみの使用に留まりましたが、仕上がりは非常に雰囲気の良いものになりました。
次回は完成写真をご紹介します。