カーモデルの製作代行品として製作していた、フィニッシャーズ 1/24「ティレル022 ヤマハ」トランスキットの製作記をご紹介しております。

今回はフロントサスの取り付けです。フィニッシャーズの説明書には、ハセガワのアーム類をどのように使うかの指示がなかったので、ひとまず全パーツを切り出し、分割が必要な部分は切り分けつつ、仮組みに進みます。

ですが、最初の工程いきなり問題が発生! ロアアームの後ろ側の前後位置と、モノコック側の取り付け位置に思いのほか大きな差(3mm程度)が生じていました。

こういう時は、本当はメタルパーツの方が修正がしやすいのですが、今回はプラパーツということで折れないように「おっかなびっくり」という心境で押し広げ、なんとか必要な取り付け幅を確保しました。

ただし、ロアアームの取り付け位置が変わると、おのずとキャスター角にも狂いが生じます。今回は、アップライトの取り付け位置が後ろ側にひっぱられた状態とあって、キャスターはマイナス方向に振れるかと思っていたのですが(アッパーアームも相当に押し広げないと入らなかったため)+20度ほど寝た状態になってしまいました。

アッパーアームの位置は動かしようがないので、ロアアーム後部の取り付け位置を更に後退させ、アップライトを後ろにズラすことで、キャスターを垂直に調整しました。

そのいっぽうで、アッパーアーム側の接合部も(取り付け間隔を)相当に広げていることに加え、ノーズの断面形状の違いなども手伝って、上下のアーム長に想像以上の差が出てしまいました。ロアアームに対してアッパーアームが短くなった結果、正面から見ると驚きの鬼キャンに……。

試しにタイヤ&ホイールを取り付けてみましたが、3mmほど地面から浮いてしまうという次第。

モンテカルロ市街地のトンネル出口で(ウォールに擦って)手負いの状態で出て来たマシンを彷彿とさせます。

色々と方法を考えたのですが、ロアアーム側をいじるとトレッドの正確性を欠きそうでしたので、アッパーアーム側にスペーサーをかます方法で、アライメントの矯正をおこなうこととしました。

使用したのは、0.4mm径と0.6mm径のプラロッドと1mm角のプラ角棒などです。長さはなかなか一発で決まるものではないので、ノーズに何度も仮付けしつつ、適正なアングルを保てるように尽力しました。

注意点は「アーム角が左右対称であるか?」だけでなく「車高も前後で一致しているか?」など多岐に及びましたが、微調整を繰り返しつつ最適なバランスに仕上げることができました。(自分で自分を褒めてあげたい心境です)

最初にメーカーの完成サンプルを確認したさい「なぜ、アッパーアームが折れているのか?」「なぜ、プッシュロッドが付いていないのか?」疑問に思っていたことに、ようやく答えが出ました。
通常なら諦めてしまいたくなるほどの地雷でしたが、幸い(?)私は実車でもアライメントに凝っていた時代があったもので、妙な集中力を発揮してしまいました(笑)。苦労は多かったのですが、ここまで来れば、あとは通常の作業のみです。