2024年9月現在、業務の方は「艦船模型スペシャルNo94」の作例製作に集中しているため、ストック記事として、プライベートで製作していたAFV作品、タミヤ1/35「16式機動戦闘車 C5」の製作記をご紹介しております。
今回からは砲塔の製作をはじめ、ディテールアップも進めて参ります。これはキットの砲塔パーツの主要部で、複雑な面構成の砲塔を適度な分割構成で再現しています。
ですが(大きな面積を1枚で抜いている関係で)多少の反りが生じているので、砲塔前面部などはクランプやテープで抑えるなどしてしっかりと圧着させていくのが上策です。
側面には発煙弾発射機が備わります。この部分大きく切り欠かれており、内部の隔壁は板パーツを箱組する要領で仕上げます。
側面パーツと発煙弾発射機の取り付けご様子。発煙弾発射機側面には押し出しピン跡が目立つので、液状瞬間接着剤で埋めておきました。
車体に仮付けすると、いよいよ16式機動戦闘車のフォルムが見えてきました。ハッチ外周部の防弾ガラスは(操縦席側と同じく)クリアー軽々されているので、取り付けと同時にマスキングを済ませています。
続いては砲身基部の組み立てです。写真下側に写っているのが基部のパーツで、上下分割の2パーツ構成となっています。
接着後の砲身基部。側面には大きな合わせ目が出ますので、取り付け前にしっかりとサンディングして落としておきました。砲身基部には偽装用の「コの字」状フックがモールドされているので、これらはエッチングパーツに切り替えることで精密化を図りました。
偽装用フックのディテールアップに使用したのは、パッションモデルのエッチングパーツです。このパーツはもともと、16式機動戦闘車の「C1」に合わせて設計されているため「C5」ではフックの数が足りず、今回は2セットを用意しました。
偽装用フックは、片側の脚を少し長めに残して切り出し――、
車体側に一箇所、穴を開けて差し込み、瞬間接着剤で固定しました。このフックは規則的に並んでいることもアリ、ズレや歪みがあると意外と目立つので、全体を仕上げるには相当な集中力を要しました。
今回の工程後半で取り付けたフックですが、車体と砲塔全体の合計で260カ所程度を処理せねばならず「モールド落とし」→「穴あけ」→「取り付け」のサイクルを延々とこなすのにはかなり骨が折れました。
16式機動戦闘車は装輪式ということで「履帯の組み立てがないぶん、楽な方だ」と思っていたのですが、実際には74式戦車の時と比べても倍近い作業数になったと思います。