艦船模型製作代行のご依頼をいただいて製作していた、1/700巡洋戦艦「フッド」が完成しました。本日は完成写真をご紹介します。
1/700巡洋戦艦「フッド」全景写真

1/700巡洋戦艦「HMS フッド」、右舷艦首側からの見下ろしアングル。1/700の「フッド」は、タミヤ、トランぺッター(ピットロード)、フライホークから発売されていますが、今回製作したのは最新版となるフライホークキットです。

1/700巡洋戦艦「HMS フッド」、左舷艦尾側からのローアングルでのカット。フッドの全長は大和型戦艦とほぼ同一で、建造当時は世界最大&最速を誇り、高速戦艦の先駆け的な存在となりました。

左舷からの全体像。外舷色には、お客さまのご要望でMr.カラー338「ライトグレー FS36495」を使用し、全体的に上品かつ格調高いイメージに仕上がりました。

1941年当時の「フッド」は艦載機を搭載していないため、平坦なデッキが非常に広大に見えます。フライホークのキットは一体成型パーツも多い反面、ランナー40枚以上の大ボリュームとなっており、これまでの1/700キットの常識を遥かに超えた高精細キットでした。詳細写真は、以下からご覧ください。
1/700巡洋戦艦「フッド」詳細写真

1/700巡洋戦艦「HMS フッド」、艦首付近のクローズアップ。ディテールアップには、フライホーク純正の木製甲板と、豪華版キットに付属しているエッチング&真鍮挽物&3Dプリントパーツ。更にはシップヤードワークスのスーパーディテールセットのパーツを併用しました。艦首周りで際立つのは、シップヤードワークスの波除板と錨鎖導板&ホースパイプカバー、ボラードなどです。

船体中央部の見下ろしアングル。黒塗装なので確認しづらいですが、煙突内部の通路やラッタルなどもエッチングで再現しました。40mm8連装ポンポン砲はフライホークキットに付属のパーツで、一般的なディテールアップパーツの精度を遥かに超えた仕上がりです。

エッチングパーツは通常版キット付属の1枚と豪華版付属の2枚(追補パーツ複数)、シップヤードワークスのパーツ4枚の計7枚を使い分けました。主なところでは「手摺りはフライホーク、ラッタルはシップヤードワークス」という具合に使い分け、各種装備品や構造物に使用するエッチングは使用箇所や再現度、使いやすさなどを見比べた上でチョイスしています。

シェルターデッキ下部側面の開口部は、内部の隔壁や支柱などが繊細に表現されています。構造物側面のデリックや係船桁などは、プラパーツをゲート処理するより真鍮線で自作した方がシャープでしたので、適時置き換えました。

後部艦橋&後部マスト周りのクローズアップ。信号ヤードや空中線支柱は前後マスト共に真鍮線で自作し、クロスツリーはフライホークの豪華版パーツ&3Dプリントパーツでフルエッチングにしました。ホースリールにはシップヤードワークスのエッチング&レジンパーツを使用し、大量のボックス&通風筒も1個ずつ塗装し、個別に取り付けています。

艦尾付近の様子。主砲塔は4基とも微妙に形状が異なる箇所があるので、間違わないように注意が必要です。ディテールアップは、砲身を真鍮挽物パーツに切り替えたほか、第二砲塔上部のロケット砲の砲座や第三主砲塔上部のフレームに豪華版キットの付属パーツ(エッチング+3Dプリント)を使用しました。
製作のお問い合わせはコチラ

当作品は豪華版キット&複数のディテールアップパーツをお持ち込みいただき、当工房にてアクリルケースをご用意させていただいた上で、製作代金228,000円(送料込み)にて承りました。
当工房では、年代設定変更や塗色のご指定などもご相談に乗りますので、製作をご希望の方は以下の問い合わせフォームよりお気軽にご相談くださいませ。

フライホークの1/700巡洋戦艦「フッド」は、1/700の戦艦プラキットとしては人生最大級の高難易度でしたが、逆に仕上がりの端正さの面においても人生最大級の1隻となりました。
私は、艦船模型製作代行のご依頼品が完成した時、いつも「このキットが自分用にも欲しいか?」と自問自答するのが習慣になっているのですが、このフッドは(工数の多さなどの点で悩みつつも)なんだかんだで「欲しい!」逸品となりました。組みやすさという点では、既に充分に完成されたタミヤキットがありますので「手間がかかっても良いので、1/700で高精度なフッドが欲しい!」という方は、ぜひ挑戦なさってください。