艦船模型製作代行のご依頼をいただき、フジミの1/700戦艦「扶桑 昭和19年」を製作中です。
今回は航空作業甲板周りの処理を中心にご紹介しますが、その前に艦橋基部と缶室給気口を処理しました。給気口はこのスケールとしては非常に分割が細かく、繊細に再現されているいっぽう、ゲート処理やパーツ紛失に注意が必要です。
艦橋基部と給気口の取り付けを完了した、1/700戦艦「扶桑」の全体像。既に機銃ブルワークの設置も終えているため、艦上が雑然としているイメージです。
航空作業甲板は予めモールドを削り取り、ジョーワールドのエッチングに切り替えました。このパーツはリノリウム甲板のほか、旋回盤や軌条などがトータルで用意されています。
リノリウム甲板は、全体をリノリウム色に塗装したのち、押さえ金具上の塗膜を剥がして金属地を出しました。ジョーワールドのパーツは、他社の真鍮エッチングより少し抑えた発色になっており、控え目な表現に仕上がります。
艦尾甲板に取り付けた様子。旋回盤と軌条は個別に塗装してから接着しました。そのさい、塗膜の厚みを考慮して、取り付け穴を拡大するなどの下処理を加えています。
射出機と運搬台車は、フジミの純正エッチングを使用しました。これらのパーツはフジミスタンダードで組みやすく、ディテールバランスも良好です。
艦尾起倒クレーンは、キットパーツと純正エッチングの組み合わせです。キットのプラモールドを一部切り取り、エッチングに置き換えました。
射出機とクレーンの取り付け状態。フジミキットは総じて、クレーンは起こした状態に設定されています。
今回は艦載機は載せない仕様をご希望いただきましたので、航空関連の製作はこれで完了です。
フジミの昭和19年の「扶桑」は、同社の昭和16年版と比較して後加工が必要な箇所が多いのですが、これで船体から甲板にかけての作業は概ね終わりました。次回からは上部構造物の製作に進みます。