艦船模型製作代行のご依頼を頂き、ピットロードの1/700戦艦「大和」【就役時】を製作中です。
今回は主砲塔の製作をご紹介します。ピットロードキットの主砲塔は、同社から別売りされているNE08「1/700 新 WWII 日本海軍艦船装備セット(8)」と同じパーツがメインとなっており、一体成型の砲塔覆と砲塔床面&砲身&測距儀で構成されています。
こちらは、キット側で追加されたパーツで、主砲塔の基部と主砲身です。砲身はNE08と同じランナーにも用意されていますが、こちらの砲身はスライド金型で砲口が開口されており、より実感的な仕様となっています。
なお、今回は主砲身にはピットロードの純正ディテールアップセットに付属の真鍮挽物パーツを使用します。
組み立てに先立ち、まずはエッチングに切り替え予定のモールドを切削します。これは、砲塔表面のモールドを撤去している様子で、ラッタルや後部の扉、正面のリベットやキャンパスガードなどを切削しました。(写真左側が加工前、右が加工後)
エッチングは、ピットロードの純正パーツによる仕上げです。まずは、削ったモールド類を再生し――、
砲塔天蓋の手すりを取り付けました。各パーツの合いは抜群で、手すりも充分な接着強度を確保しています。
ディテールアップを終えた砲塔本体の様子。就役時の大和には機銃座がないため、形状やディテールは1番~3番砲塔まで全て共通しています。
主砲身の切り替えは、キット付属の砲身のキャンパス部を利用しました。このパーツは、パーティングラインが割と強めに出ているので、カービングナイフで入念に処理しました。
塗装後の主砲塔。砲身とキャンパスは別に塗装し、のちほど接着しています。キャンパスの塗色が黒いのは説明書通りの仕上げで、この色合わせは公試時の実艦写真がベースになっている模様です。(外筒砲関連装備は公試時の写真で確認できなかったので、未取付としています)
別アングルでのクローズアップ。主砲塔後部の扉は、エッチング化によるディテールアップ効果の高い箇所です。
大和の主兵装となる、主砲塔が無事に完成しました。機銃座のない主砲塔は、純然たる戦艦らしい魅力にあふれており、建造当時の同艦に対する期待の大きさが伝わって参ります。