艦船模型製作代行のご依頼をいただき、フジミの1/700アメリカ海軍航空母艦「CV-63 キティホーク」の製作を開始しました。製作記初回の今回は、キットの詳細をご紹介します。

横須賀を母港としていた時代が長いことから、日本人にもなじみが深い「CV-63 キティホーク」。1/700スケールのキットはフジミとトランぺッターから発売されておりますが、今回の製作では、お客さまからお持ち込みいただいたフジミキットを使用しました。

キットは1999年の発売。当時は第七艦隊シリーズと題して、フジミは現用米海軍のラインナップに力を入れていました。1/700スケールの艦船キットではここまで大きな製品はなかなか例がなく、話題になっていたことを覚えています。

船体は洋上モデル専用となっており、バスタブ状の船体上部に吃水板を取り付ける構成です。(吃水板と同じランナーに成型されている黒い板状のパーツは、格納庫内部の床材の一部です)

こちらは飛行機格納庫の床面とハンガードアのランナーパーツ。3分割されているとはいえ、床パーツは1/700艦船のパーツとしては非常に大きい印象です。

格納庫の側面や武装類のスポンソンは別パーツ化されており、トランぺッター系の現用空母と比較すると分割は細かめです。

飛行甲板は一体成型。ゲートはかなり深く、切り出しには慎重さがもとめられます。

エレベーター周りの装備品やクレーンなどのパーツ。同型艦のバリエーション展開に備えたとみられるパーツ間のスキマが目立ちます。

艦橋構造物の欄パーツ全景。一体成型などは用いられず、艦橋本体も左右分割が基本となっています。

20年以上前のキットという事で、デカールはかなり黄ばんでいました。これは天日に当てて黄ばみを落としたあとの様子で、デカール修復材やデカール糊を使いつつ仕上げていく予定です。

艦載機は、F/A-18C ホーネット ×12、F-14 トムキャット ×8、SH-60 シーホーク ×4の計24機が付属し、このサイズの空母としては程よい機数で構成されています。

前回のバンカーヒルはフルディテールでの製作ご依頼でしたが、今回のキティホークは素組みでのご依頼品です。とはいえ、この時代のフジミキットはかなり癖が強いうえに、デカールも年代モノで苦労が予想されますので、最後まで気を抜かずに進めていきたいと思います。(次回は艦載機の製作をご紹介します)