艦船模型製作代行のご依頼をいただき、フジミの1/700アメリカ海軍航空母艦「CV-63 キティホーク」を製作中です。

今回が製作記の最終回となります。当ブログでは、最終版の記事は数日分の作業を短縮して一回に纏めるパターンが続いておりますが、今回も同様の構成となりました。これは艦橋本体のパーツで、本体は左右分割となっており、合わせ目の処理が仕上がりを左右します。

そしてこちらは艦橋の正面窓と天蓋パーツ。窓枠パーツは額縁状の分割(所謂「トメ」)となっているので、事前に接着面をヤスリスティックで均しておきました。

各パーツの接着面を均し「Mr.セメントSP」で、きっちり溶着。合わせ目処理もヤスリスティックでおこないました。

塗り分けは、まずレドームを白塗装の後にマスキング。続いて平面部を先に塗装し、続いて側面を重ね塗る順序で仕上げます。マスキングはかなり細かな作業になりますが、細切りテープや丸抜きのマスキングシートなどを併用して隙間なく覆うことができました。

塗り分け完了後の艦橋パーツ全景。吹き残しや滲み、漏れなどもなく、仕上がりは上々です。

艦橋窓枠はモールドが薄く、スミ入れなどで着色するのは難しかったのでマーカーで塗り分けました。デカールは艦載機や飛行甲板と同様に、リキッドデカールフィルムを塗布し、タミヤのデカール糊で密着させています。

写真左は前部マストで、右側は後部マスト。これらも水平部と垂直部の塗り分けが必要になるため、艦橋と同じ順序で塗り重ねました。

最後は、艦橋および舷側&スポンソンに取り付ける小物類の製作と塗装です。パーツ数が多いため、切り出しとゲート処理には時間がかかりましたが、どれも実物の形状やサイズをかなり正確に捉えていて、社外パーツに交換しなくても充分な精度です。

各種装備品を取り付けた、1/700「CV-63 キティホーク」の艦橋周りのクローズアップ。説明書には誤表記が多く、レーダーのパーツ指定や取り付け指示に間違いが目立ちましたが、実艦写真なども参考にしつつ取り付けを完了しました。(アンテナのみ真鍮線に交換)
あとは艦載機を接着すれば、フジミ1/700「CV-63 キティホーク」は完成です。

今回も終盤の工程を一気にまとめて紹介しました。素組み作品の場合、ひとつひとつの工程の丁寧さが完成度を大きく左右するため、キティホーク製作においては「合わせ目の処理」「塗り分けライン」「水平&垂直出し」になるべく正確を期しました。次回は完成写真をご紹介しますので、ぜひご覧ください。