プライベート作品として製作していた、1/24タミヤ「ポルシェ911GT1」の完成写真をご紹介します。
1997年のル・マン総合8位の27号車 全景写真
1/24タミヤ「ポルシェ911GT1」、左前方からの全景。実車はGT1企画のポルシェとしては2代目(初代はラルブル・コンペティションの「911 GT2 EVO」)にあたるマシンで、1996年のル・マン24時間レースにポルシェワークス(ポルシェAG)からエントリーし、2位&3位に入賞。翌1997年にはプライベートチームにデリバリーされ、最高位5位を獲得しました。
今回製作したのは、1997年のル・マン24時間レースで8位完走を果たした「BMS スクーデリア・イタリア」の27号車です。キットは1996年のワークス仕様ですので、マーキングの再現には、ルネッサンスの別売りデカールを使用しました。
1/24「ポルシェ911 GT1 BMSスクーデリア・イタリア」、右フロントからの見下ろしアングル。
「BMS スクーデリア・イタリア」は、イタリアの実業家ジュゼッペ・ルッキーニによって設立され、1988年から1993年にかけて、ダラーラやローラとジョイントしてF-1世界選手権に参戦。マールボロによるスポンサードや2度の表彰台獲得といった活躍もあり、古くからのF-1ファンには馴染み深いの存在です。
右側面からの全景。実車はフロントセクションに市販車(993)のスチールモノコックをそのまま使用しているものの、リアセクションはエンジンも含めて新設計されました。そのさい、駆動方式はRRからMRに変更し、エンジンも空冷から水冷化されましたが、丸いヘッドライトと、ルーフからリアエンドにかけての曲線美は911シリーズの意匠を踏襲しており「誰が見てもポルシェ」というスタイリングを残している点が魅力です。
スクーデリアイタリア ポルシェ911GT1 カウル内部
タミヤキットは、完成後もリアカウルを外してエンジン周りを見られるのが魅力です。カウルの合いは非常に良好で、いっさいの調整なくピタリとハマってくれる精度には感動さえ覚えました。
別角度。補器類にエンジン本体が覆い隠れてしまうあたり、ポルシェ自慢の水平対向エンジン【フラット6】の低重心設計が伺えます。また、新設計されたリアセクションは、GTカーというよりもスポーツプロトタイプに近い印象で、956系の設計思想が色濃く反映されている様子がわかります。
タミヤキットならではの機能美表現
フロントセクションのクローズアップ。製作面では(ワークス仕様の位置にモールドされた)ゼッケン灯の切削と、タミヤ製別売りシートベルト(1/20用)の流用、ホビーデザインのアンテナを追加したのみですが、給油口やファスナー類もクッキリとモールドされており、そのまま組むだけでも充分にシャープな仕上がりが得られました。
フロント&リアフェンダー両サイドのアウトレットは、96年型の「ポルシェ911 GT1」の魅力のひとつです。特にフロントのアウトレットは、翌年型の「911 GT1 Evo」では閉じられてしまったため、初期型911GT1の外観上の大きな特徴を成しています。
左側面からの見下ろしアングル。カラーリングもゼッケンナンバーも「ドイツ車というよりはイタリア車を思わせるデザイン」に仕上げられたこのマシンですが、このような派手な色彩も無理なく似合ってしまうのが、ポルシェならではデザインセンスといえるのかもしれません。
非常に実戦的な車であるにも関わらず、随所に「美しさへの拘りが見える」2代目GT1を満足のいく形で完成させることができ、今回は非常に充実した製作となりました。
「ポルシェ911GT1」がデビューした1996年のル・マン24時間レースは、私の推しアーティストが地上波放送のテーマソングを担当していた(←本人もル・マンに来ていた)こともあり、特に印象に残るレースでした。
風の流れをイメージしたワークスマシンのマーキングも印象に残りましたが、翌97年のスクーデリア・イタリアのカラーリングは(全くポルシェらしくないにも関わらず)纏まりの良さが非常に魅力的で、憧れの存在でした。
ルネッサンスのデカールは劣化して使用に困難を伴いましたが、好みのマーキングで仕上げることができて、たいへん満足しています。