艦船模型製作代行のご依頼を頂いて製作していた、トランペッターモデルの1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』が完成しました。
本日は、完成画像と製作記各ページへのリンクをまとめてご紹介します。
戦艦『BB-39 アリゾナ』とは
実艦は、アメリカ海軍のペンシルベニア級戦艦の2番艦で、日本海軍による真珠湾攻撃で大破着底――、戦後には残骸上に記念艦が建立されて「アリゾナ記念艦」としてオープンし、多くの人びとが訪れる慰霊施設となりました。
トランぺッターモデルのキット 1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』
キットはトランペッターモデルの製品で、同社の1/200大型艦としては、最も最初に発売されたものです。
そのため、キットの構成やパーツ分割は、1/350をそのまま大きくしたようなものとなっており、パーツ数の多さにともなう合わせ目の処理など、基本的な工作にかなりの手間を要しました。
1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』徹底ディティールアップ決定版 受注価格980,000円
(キット+パーツ+ディスプレイケースお持ち込み、関西圏への自社便配送費込み)
トランペッターモデルのキットをベースに、KAモデルとエデュアルドのスーパーディテールアップセット、更にはホワイトエンサインのエッチング、ウッドハンターの木製甲板など、2020年時点で考えられる全てのディテールアップパーツの「いいトコ取り」で仕上げた精密作品です。
少しクラシカルな印象の艦橋構造物も、壁面を全てエッチングに切り替えるなどの加工を行い、密度のあるディテールを実現しました。
空中線にはメタルリギングを使用し、経年劣化にも強い仕上がりを実現しております。
船体中央部の様子。
艦載艇やクレーン、煙突などにも徹底的に手を入れ、兵装は全ての砲身を真鍮またはアルミの挽物パーツに交換し、実感を高めました。
また、『アリゾナ』専用パーツだけではなく一部には、汎用パーツを複数採り入れることで、ディテールにムラのない仕上げとしております。
画像は艦首の錨鎖で、新発売の3Dプリントパーツを使用することで、これまで再現不可能だった、スタッドのついた鎖を表現しました。
後部艦橋のようなシンプルな構造物ほど、作業精度の正確さが仕上がりを左右します。
この作品はミュージアムモデル仕立てであることから、塗り分けも含めて清潔感のある作風で製作させていただきました。
その他の写真は以下のリンクページに拡大版の画像を掲載しておりますのでご覧くださいませ。
https://nabeck.web.fc2.com/sugasamaarizonahd.htm
実艦の全長が185メートルである戦艦『BB-39 アリゾナ』は、1/200スケールモデルの全長は92.5cmにもなります。
玄関の飾り物やリビングでの展示に映える、迫力ある風格の大型模型です。
大型モデルの製作ご依頼にご興味のございます方は、下記の問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。
当工房『モデルファクトリーハイギヤード』は、1/200艦船模型の製作は特に得意としております。
1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』完成写真
1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』、右舷からの全景。
1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』、左舷艦首側からの全景。
艦首付近のクローズアップ。
ディテールアップには、KAモデルのスーパーディテールセットと、エデュアルドフルエッチングセット(ビッグエド)とホワイトエンサインのエッチングパーツなどを使用していますが、その他にも、汎用パーツの組み込みを行いました。
この錨鎖も、汎用の3Dプリントパーツに切り替えたもので、実物同様のスタッドを追加した鎖(マリーナチェーン)の形状を再現しています。
主砲塔の主砲身にKAモデルのアルミ砲身を使用したほか、防水キャンパスも同様にKAモデルの3Dプリントパーツに切り替え、キャンパスと砲身の長さのバランスと、砲身間の距離を適正に保ちました。
また、天蓋の配線にはエデュアルドのエッチングを使用し、各社のパーツの良いところを合わせた仕上げとしております。
B砲塔の砲座には防雷具の固定バンドを巻き付け、真鍮挽物パーツとエッチングを組み合わせたパラベーンを装備させました。
ホーサーリールに巻き付けられたロープは3Dプリントパーツによるもので、スカイライトの蓋もKAモデルのエッチングで表現しています。
前部艦橋には、3メーカーの専用パーツを全て組み込みました。
舷灯のランタン部や羅針盤、ブローニング127mm機銃や5インチ砲の砲身には、真鍮挽物パーツを使用しています。
羅針艦橋は、キットパーツのモールドを全周削り取り、エッチングの壁面を貼り付けることでリベットなども繊細に表現しました。
三脚支柱上に据え付けられた羅針艦橋は、前後ともに同形状で、戦間期のアメリカ海軍戦艦らしい構造美を形づくっています。
マストや手すりの塗り分けは、お客さまからご提供いただいた資料を参考にしました。
煙突を背負うように密着した前部艦橋構造物と高角砲&短艇甲板の見下ろしアングル。
ディテールが密集した中央付近は、KAモデル、エデュアルド、ホワイトエンサインの専用パーツに加えて、トランペッターモデルの純正エッチングも併用し、密度のあるディテールを目指しました。
前部艦橋の見上げアングル。
羅針艦橋や機銃座、その他の踊り場下面の補強トラスは、プラモールドを切り取ってエッチングに切り替えました。
大型の信号ヤードが印象的な、右舷後部からの画像。
空中線には伸縮に強いメタルリギングを使用し、真鍮挽物パーツの旗竿にしっかりと固定しました。
なお、木製甲板は、KAモデルのセットに付属のシートに不具合があったため、急遽、ウッドハンターの別売り品に切り替えています。
艦載艇と固定ラックは、キットパーツに手加えて大型モデルに相応しいディテール感を演出することができました。
各艇の固定バンドもKAモデルのエッチングによるもので、バックルまでが再現されています。
左舷側のやや艦尾よりのアングル。
左が前部艦橋、そして右側が後部艦橋です。
各艦橋の支柱は、左右分割されたパーツを張り合わせる構成となっているために歪みがでやすく、垂直を保つのに苦労しました。
後部艦橋は、中段付近に大型の探照灯が装備されています。
キットでは、この探照灯がクリアーパーツで成形されていましたので、レンズの部分を塗り残し、裏側をシルバーで塗装することで反射鏡のイメージを演出しました。
右舷艦尾付近のクローズアップ。
艦載機はキットに付属の2機、OS2U『キングフィッシャー』を搭載しました。
カタパルトは、キットパーツの完成度も高く、エデュアルド&ホワイトエンサインのエッチングにも付属していましたが、今回は最も精度高いKAモデルのパーツを使用しました。
船体は上下分割となっているため、合わせ目の処理を入念に行いました。
また、画像では少々確認しづらいですが、舷側には(塗膜の段差を付ける方法江)外板継ぎ目のモールドの表現も行っています。
1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』は、実艦の全長が185メートルということで、1/200スケールモデルの全長は92.5cmになり、玄関の飾り物やリビングでの展示にも最適な風格です。
当工房、『モデルファクトリーハイギヤード』は、1/200艦船模型の製作は特に得意としておりますので、大型モデルの製作ご依頼にご興味のございます方は、下記の問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。
以上で1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』の完成写真の紹介を終わりますが、作品写真を更に大きいサイズで見たいという方は、以下のアドレスに倍程度のサイズの写真を掲載しておりますのでぜひクリックしてご覧くださいませ。
https://nabeck.web.fc2.com/sugasamaarizonahd.htm
これを機に、より多くの模型ファンの皆さまに、1/200艦船模型の魅力をお知りいただけましたらと思います。
1/200戦艦『アリゾナ』トランぺッターモデル製作記まとめ
以下は今回製作したトランぺッターモデルの1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』製作記各記事への目次をまとめたものです。
トランぺッターモデルの1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』パーツ類のご紹介
製作記の第一回目はパーツ類のご紹介です。
兵装類(小口径砲群)の製作
最初におこなった兵装類の製作の様子です。
探照灯、光学機器類、射撃管制装置の製作
小口径砲群の製作を無事に完了しましたので、探照灯と光学機器類、射撃管制装置の製作をおこないました。
各装備品の塗装についてご紹介
以下の記事では各装備品の塗装を紹介しています。
16インチ三連装主砲塔の製作
以下の記事では16インチ三連装主砲塔の製作をおこないました。
艦載艇の架台(ボートラック)とパラベーンの製作
プラパーツを使わずにおこなった、艦載艇の架台(ボートラック)とパラベーンの製作の様子です。
艦載艇本体の製作
以下の2記事では艦載艇本体を製作しています。
艦載機OS2U『キングフィッシャー』の製作
戦艦『BB-39 アリゾナ』の艦載機OS2U『キングフィッシャー』を製作した記事が以下です。
カタパルトの製作
2種のカタパルトの製作をおこなっている様子です。
クレーンの製作
2種のクレーン、計3基の製作をおこなった記事が以下です。
煙突の製作
煙突の製作の様子です。
後部艦橋の製作
以下の3記事では後部艦橋を製作しています。
前部艦橋の製作
前部艦橋の製作は全4回にわたっておこないました。
船体や甲板の基本組立について
(工程順序の関係でご紹介が後回しになっていた)船体や甲板の製作をご紹介した記事です。
船体の製作をおこなっている様子です。
まずは合わせ目の処理です。
次に甲板を製作していきます。
甲板上の小物、手すり、艦載艇の取り付けなどのご紹介
甲板上の小物、艦載艇の取り付けなどの作りこみをおこなっていきます。
甲板外周部の手すりと、構造物上の小物類の製作です。
最終的な見直しと並行しながら舷梯、係船桁、スクリューなどの取り付けをおこなっていきます。
計280枚の工程写真と16枚の完成写真、合計296枚にもおよぶ長大な製作記
こうして1/200戦艦『BB-39 アリゾナ』は完成しました。
計280枚の工程写真と16枚の完成写真、合計296枚にもおよぶ長大な製作記となりました。
ご覧くださいましてまことにありがとうございました。
当工房『モデルファクトリーハイギヤード』は、1/200艦船模型の製作は特に得意としております。
大型モデルの製作ご依頼にご興味のございます方は、下記の問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。